探偵を「ちょっとアングラな職業」とイメージしている方も多いのではないでしょうか?
探偵は法律スレスレ、または法律を犯して調査をしているのだろう、などと予想している方もいらっしゃるかと思います。
ですが実は、探偵は非常に清廉潔白な業務を求められる仕事です。
現在は探偵業を営む方向けの法律がしっかりと確立しているために、違法な調査をした探偵事務所は直ちにその業務を行う資格を剥奪されることとなります。
ですから現状は、探偵は法律の範囲内で調査を行うことしか許されていないのです。
当然、探偵がしてはいけない違法な調査というものも存在します。
探偵がしてはいけない調査はたくさんあります。
ここでは主な違法調査を5つご紹介します。
探偵業法では、差別を助長するような調査は行ってはならないとされています。
たとえば、被差別部落出身であるとか、前科の有無などといった個人情報を調べることは違法です。
結婚前調査などで、出身地を調べて欲しいと依頼することは可能ですが、もしそれが、被差別部落出身であるか否かを調べる目的の調査であれば、まっとうな探偵事務所は依頼を拒否します。
なぜなら、法律違反にあたるため、調査がバレたら行政処分を下され、業務停止命令が出されてしまう可能性があるからです。
私有地に勝手に入ることは許されません。
一般市民に認められていないように、探偵にも>私有地に勝手に入ることは認められていません。
実際、日本の探偵は、一般人と同等の権限しかもっていません。
アメリカの探偵などは、警察に準ずる権限をもっており、一般人には知り得ない情報を得ることができます。(州によって異なります)
しかし、日本ではそういった特権はありません。日本の探偵はあくまでも民間企業であり、探偵業法に従って調査を行っているのです。
他人のものに、許可なくGPSや盗聴器を仕掛けるのは違法です。
もちろんそれは探偵であっても同じで、調査に使うからOKというわけではありません。
ただし、配偶者の浮気を調べるために、夫婦共同名義の車に盗聴器を仕掛ける行為は合法です。
こうした調査は、探偵自身ではなく、依頼者の協力が必要です。
誰かになりすまして資産などの個人情報を聞き出すことはNGです。
弁護士などの一部専門職は、銀行に資産の問い合わせができるなどの権限をもっていることがありますが探偵にはそういった権限はありません。
探偵は国家資格ではなく、届出さえ出せば素人でも開業できてしまいます。
そのため、特別な権限は付与されていないのです。
犯罪を助長するような調査は違法です。
たとえば、「元カノ(元カレ)をストーカーしたいから居場所を特定してほしい」などの依頼がきても探偵は引き受けません。
DV等の理由で接見禁止になっている相手を探す調査も同様。探偵はそれらの調査を依頼されても断らなければなりません。
なぜなら、探偵業法によって禁じられているからです。
たとえ、依頼者が嘘をついていたとしても、調査した探偵も責任を問われることになります。
そのようなことがないよう、探偵は契約の段階で「調査結果を犯罪行為に利用しない」という旨の誓約書を書いてもらうなどで対応しています。
探偵が引き受けること自体は違法ではない調査でも、やり方によっては犯罪になってしまう調査もあります。
復讐代行を探偵に依頼することは違法、またはかなりグレーになります。
検索エンジンで「復讐代行」と調べてみると、復讐代行業者がヒットします。探偵社が復讐代行サービスを行っていることも珍しくありません。
そんな復讐代行業者ですが、実は「復讐代行業者」と名乗ること自体は違法ではありません。しかし、恨みを晴らす目的で行っていますから、倫理的に問題のある行為でしょう。
復讐代行の内容にもよりますが、犯罪を助長する行為とされ、危険視される可能性が高いことが考えられます。
別れさせ工作は、明確に違法だと定められているわけではありませんが、公序良俗に反する行為にあたる可能性があるため、違法行為だと認定されるかもしれません。
このあたりのグレーな調査は、まっとうな探偵事務所であればリスクを考慮して引き受けることはないでしょう。
以上、探偵がしてはいけない調査を紹介しました。
このような違法な調査を行なっている探偵には仕事を依頼しないように気をつけましょう。
のちのちトラブルになるか可能性があります。